Story 1930年の不況時代、アメリカ、セントルイスの裏町にあるアパートに暮らすウィングフィールド家の物語。登場人物は4人、語り手となるトム、その姉のローラ、母親のアマンダ、そして靴倉庫で働くトムの同僚のジム。トムは貧しく息の詰まるような現状からの逃亡を夢見ている。かつて父親が突然の出奔をしたように・・・ 姉のローラは少女時代に罹った病の後遺症で少し足を引きずっている。そのことが彼女を内気にして人との交流を拒むようにガラス細工の動物たちに囲まれて暮らしている。母のアマンダは南部で過ごしていた裕福な少女時代の思い出から離れられずにいる。目下のアマンダの最大の悩みはローラの結婚のこと。働きにも行けず内に籠ったローラの将来を案じて結婚相手を切望し、トムに若い紳士を紹介して欲しいと頼みつづけていた。そして或る夜、春雷と共にトムは一人の青年を連れてくる。靴倉庫で働く同僚のジム・オコナーだ。トムは知る由もなかったが、彼はローラがハイスクール時代に憧れていた学園のスターだった・・・・