藤原歌劇団や新国立劇場を中心に活躍する人気バリトン須藤慎吾によるフランス歌曲コンサート。プログラムは全てデュパルク作品で構成。デュパルクは19世紀のフランス歌曲への貢献度が高く、なかでも、ボードレールの詩に基づく《旅へのいざない(L’invitation au Voyage)》がよく知られている。近代フランス音楽の確立に一役を買った「フランキスト」の一人であったが、若くして精神を患ったために1885年以降はスイスに移って創作から身をひいた。デュパルクの歌曲は後のフォーレに続くものとして位置づけられている。彼の厳しく自己を批判する性格から、今日に伝わる10数曲の歌曲の他は、パリで好評を得ていたチェロ・ソナタやオーケストラのための作品でさえ、デュパルク自ら破棄している。作曲家自ら厳選した珠玉の歌曲をお贈りします。ゲストに元テレビ朝日アナウンサーで現在はコンサート・ソムリエとして活躍する朝岡聡が朗読で出演。